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甘えた
第18章 18
「うん。あたしね、莉壱が帰国した後のことしか思い描いてなかった。だからごめん…学業の頑張りは見てなかった、すごい頑張ってたんだね……そんなに2年の差って気になった?」

「都羽と同い年に生まれたかったな。俺、おいて行かれるの不安だよ」

あたしが謝ったら、急にしおらしくなる。ってか知らなかった…2歳年下ってことが不安だったなんて。今は差が目に見えて大きく感じるかもしれない、あと数年もしたらそんなの関係なくなるのに。

「莉壱…急がなくていいんだからね。あたしの方が先に社会に出るけど、すぐに追いついてくるでしょ?で、あっという間に追い抜かれちゃう。莉壱はそういう男だよ。だから、あたしは先でも後でもなく、いつも莉壱のそばにいるよ」

「絶対に?」

「絶対なんてないけど…絶対に!」

「なんだよ、それ?くすっ。ほんと都羽相手だと真剣に悩むのがアホらしくなるな。俺、頑張るから…待ってて」

頑張ると決意表明しておきながら、不安げな…縋るような表情を見せる莉壱。

「もう待たないよ。一緒に歩いてこ」

目一杯の笑顔で安心させてあげよう…大丈夫、あたしがついてるよ。

「ねぇ!それって、ひょっとして、プロポーズ?」

「そうだよ!返事は?」

「…………………………………はい」

感情が爆発しそうになるのを抑え込むように、目を大きく開いて無表情を作っていた莉壱の耳は赤かった。
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