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甘えた
第4章 04
学校からの帰り道、あたしの家がある住宅街近く、幅の狭くなった道路で静かに車が横付けされる。
 
助手席から降りてきたスキンヘッドが後部座席のドアを開けた。

あたしに乗れってことか……後部座席を覗き込む。

「やぁ、偶然だね?」

莉壱が冷やかな目で笑っている。ほんとに偶然…?

「あー秀才くん。偶然だね」

「家まで送って行くよ?」

「すぐそこだから大丈夫。」

笑顔で断りを入れると、後ろから来た車に軽くクラクションを鳴らされた。

「ほら、君が乗らないから他の人にめーわくかかってるよ?」

狭い道路の真ん中で停めてる方が悪いんじゃん。

中から腕を取られ引き込まれるのと同時に、この迷惑車両を退かすのを優先し咄嗟に自らの足で乗ってしまった。

ところでどーして莉壱はこの辺をうろついていたんだろう…結愛花を待ち伏せ?

いや、長谷川くんがガードしてるからそれは無い。

あたしを長谷川くんの仲間だと思ってる?

長谷川くん家で会ったんだからそう思うのは普通だよね。

でも、なんであたしのところへ?

結愛花を奪うためにまずはあたしがターゲットってことかな?
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