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甘えた
第4章 04
隣に並んだ莉壱を横目で見ると目の位置が低い。

ほんの少し5センチくらい低いのか…

「莉壱、あたしよりちっさ」

正面を見据えたまま、さっきのいじけた気持ちの分を仕返しすると、案の定キッと睨まれる。

鋭くて冷たくて視線の先が読み取れない嫌な目つき。

睨まれても動じませんからねー。

車中での笑顔とあたしよりも背が低いってことが莉壱への恐怖心を薄くしていた。

「女のくせにでかすぎ」

言い返された…人が気にしている事を…クソガキめっ。

部屋に入り、リビングに通されるとそこは見たこともないセレブ空間…学校の教室よりも広そう。

窓は壁一面ガラス張りになっていて、広い道路を挟んで向かいにあるビルが見える。

窓のすぐ下に大きなベッドが置かれその周りをいくつもの同じ形のヨーロピアンテイストなチェストがぐるりと囲んでいる。

まるで家の生垣のように、出入り口の一か所を開けベッドスペースを区切っている。

部屋の真ん中に大きくて重厚なダイニングテーブルが置かれ、その奥には背の高いソファーが鎮座する。

部屋の広さと天井の高さで家具の大きさが普通サイズに見える。
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