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甘えた
第4章 04
あたしは夢を見ていた。

小さい子供の姿の結愛花が泣いている。

「あたしがゆめかちゃんを、まもってあげる」

そうあたしが言うと結愛花が、ぱぁーっと微笑んだ。

夢から覚め、目を開けると至近距離に冷たい視線があった。

目を閉じて頭を整理する。

そうだった…莉壱の家に来てたんだ。

再び目を開けて莉壱と視線を合わせる。

やっぱり視線は交わらない。

「莉壱…」

視線を呼び込んでも変化がない。

莉壱が目蓋を閉じ視線を逸らした。

「寝ながら笑ってたよ?そんなに俺に満足した?」

「あー、うん」

ニヤリとする莉壱の言葉に適当に返事をし、考え込む。

いったいどこを見ているんだろう?

いったい何を見ているんだろう?

視線の先はあたしの後ろ…あたしの後ろに何がある?


───長谷川くんか…



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