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甘えた
第5章 05
黒猫ならぬ莉壱は光政めがけて走り出し、跳び上がって拳を振り下ろした。
吹き飛ばされた光政に加勢をする仲間たちを避け、執拗に光政を狙う。
莉壱は体が小さく力は弱いが身軽な分、加速しながら全身で叩き込む。
光政は長谷川くん譲りの腰の入った強打を打つ。
噛みつくような表情の光政と反対に莉壱は楽しそうな口元をしている。
光政くんったら完全におちょくられている…
結愛花に視線を移すと姿が見えない。
慌てて人垣をかき分け、辺りを見渡し顔見知りの側近メンバーの一人を見つけると駆け寄った。
「結愛花は?!」
轟音にかき消されないよう側近くんの耳元に両手を添え、口を寄せて大きめの声で話す。
「あっ、久保さん。大丈夫ですよ!騎馬戦の間だけ車の中にいます!」
同じように耳元で大声をあげる側近くん。
「そか…」
結愛花が騎馬戦を見たくないから席を外しただけか…ホッとした。
あたしが慌てる必要もなく、長谷川くんはちゃんと考えてくれている。
「今日は警護の人間、増やしてるから安心して下さい!…卒業生たちも来てくれてるし!」
「でも、莉壱が来てる!」
吹き飛ばされた光政に加勢をする仲間たちを避け、執拗に光政を狙う。
莉壱は体が小さく力は弱いが身軽な分、加速しながら全身で叩き込む。
光政は長谷川くん譲りの腰の入った強打を打つ。
噛みつくような表情の光政と反対に莉壱は楽しそうな口元をしている。
光政くんったら完全におちょくられている…
結愛花に視線を移すと姿が見えない。
慌てて人垣をかき分け、辺りを見渡し顔見知りの側近メンバーの一人を見つけると駆け寄った。
「結愛花は?!」
轟音にかき消されないよう側近くんの耳元に両手を添え、口を寄せて大きめの声で話す。
「あっ、久保さん。大丈夫ですよ!騎馬戦の間だけ車の中にいます!」
同じように耳元で大声をあげる側近くん。
「そか…」
結愛花が騎馬戦を見たくないから席を外しただけか…ホッとした。
あたしが慌てる必要もなく、長谷川くんはちゃんと考えてくれている。
「今日は警護の人間、増やしてるから安心して下さい!…卒業生たちも来てくれてるし!」
「でも、莉壱が来てる!」