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甘えた
第6章 06
「お待たせ」

玄関の鍵を閉めようすると

「その格好で出掛けるの?」

「い、いけない?」

夏の暑さもすぐそこに、Tシャツとハーフパンツ姿のあたしは道場にもこの格好で行くつもりだったから気にも留めていなかった。それに莉壱だって似たような格好してるし…

「スカートくらい穿けよ…」

「別に家に行くんだったらこれでいいじゃん?」

顔で訴えられる…睨んでる、睨んでる。

「車で待ってるから」

さっさと車へ戻って行く。

「はいはい。スカートですね!」

もう!スカートなんて持ってないよっ、なんでスカートじゃないといけないんだ?あー、セレブ学校の人はきちんとした服装をするんですね?!

どーせ田舎もんですよ?!むきぃぃっーーー!

一秒でも早くこの場所から莉壱を遠ざけるために、大慌てで着替えを済ませて車へ乗り込んだ。



「はいはい、お待たせしましたっ」

「…なっ!」

スカートの裾を摘まみながら莉壱は頭を抱えた。

「なんで?スカート穿けって言ったけどさ……なんで制服なの?」

「スカートはこれしか持ってませんっ」

キュロットとシャツワンピ…あ、あれは長袖か…ならあるけど、スカートなんて持ってないよ。着て行く場所もないし…

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