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甘えた
第1章 01
あたしの家は小学校の時に母さんが病死し、父さんと二人暮らしだったため森安家にはなにかとお世話になっていた。

自分の家のようにあがり込み、おばちゃんの後に付いてキッチンへと向かう。

「結愛花は最近7時頃に帰ってくるのよ?」

「彼氏ができたって…」

「そうなのぉ!すっごいイケメンよね~。最初会った時、思わずハローって言っちゃった」

「あはは。おばちゃん可愛い…。確かにあの金髪じゃあね?」

小柄でちょっと天然気味で少女っぽいところのあるおばちゃんは結愛花とよく似ていた。

「でも、あんな格好のわりに毎朝迎えに来る時、きちんと挨拶して行くのよ。好青年だわぁ」

背景に花を散らせるかのように夢見心地で話すおばちゃんはどんぶりに炊き込みご飯をてんこ盛りによそう。

「わっ、美味しそう」

「ふふっ」

「器は後で洗って返しますね。ゆめと話もしたいし…また夜に来ます」

「結愛花に言っとくわね。はい、どうぞ召し上がれ」

ほかほかのご飯が入ったどんぶりを手渡される。

「いただきます。じゃ、お邪魔しましたー」
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