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甘えた
第6章 06
《校門の前にいるよ》
下校時間になり、帰ろうと教室を出た時に、そうメッセージがきた。
送り主は『彼氏』また勝手に名前を書き直してる…
校門をくぐるとお迎えの車が5台停車しているのが目に入る。
いつもより多い。車高の低い車の中に1台だけ高級車が停まっている。
そして、車高の低い車の運転手たちが車外に出て高級車を監視している。視線を向けながら電話をかけている人もいた。
緊張感が漂う。
これは……莉壱が突然現れて長谷川サイドが慌ててるってこと。昨日、安易に送ってもらったことを反省した。
莉壱はそんなことお構いなしなんだろう。
こんなにピリピリした場所であの高級車に乗り込むのは勇気がいる。
光政に連絡するか?
長谷川くんと結愛花が来るのを待つか?
それとも無視して通り過ぎようか?
コソコソと反対方向から帰るか?
もうね、あたし莉壱のせいで思考をぐるぐるさせてばっかりなんだけど?!