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intimidation love
第1章 恋は盲目
それからの私は、先輩をいつも目で追うようになっていた。
現実は酷く残酷だった。
最初は信じていなかった先輩の悪評が、どんどん真実味を帯びて行く。
こうして接触した事で、より痛感してしまった。

「そういえば」

先輩の声に、私は我に返った。

「名前、聞いてなかったよね」

「…知りたいんですか?」

「あれ、知って欲しいわけじゃないんだ?」

先輩はベルトを直しながら、意地の悪そうな笑みを浮かべて私を見ていた。
私の気持ちなんて、先輩はとっくに見透かしているのかもしれない。
だから、私の脅しなんて怖くも何ともないのだろう。
それでも私は、平静を装い続けた。

「…ヨシノです」

「いや、それって名字じゃ…」

「もう私の用は済んだので、先に戻っていいですよ」

私は先輩の言葉を遮り、扉に掛けていた鍵を開けた。

「あと、これで終わりじゃないんで」

「へえ、そう」

「そのうち、私が飽きたらちゃんと画像も消すので安心して下さい」

「ふうん」

先輩は気のない返事をし、ベッドから降りた。

「じゃあ、待ってるよ。またね、ヨシノちゃん」

保健室を出て行く先輩の背中を見送り、ゆっくりと扉を閉める。
急激に襲って来た脱力感に、その場にずるずると崩れ落ちる。

興味なんて、少しも持たれなかった。
私の脅迫なんて、先輩にはどうでもいい事なのだろう。
だから、待ってるだなんて平気で言えるのだ。

先輩には強気に出たけれど、こんな事はもうやめてしまいたいくらい惨めな気分だった。
それなのにもう少しの間だけでも先輩と関わっていたいと思う強欲な自分には、嗤うしかない。
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