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intimidation love
第1章 恋は盲目
自分から近寄ったわけじゃない。校門のすぐ側の桜の木の前にその人が居たから、必然的に通らなければいけないだけだ。
背の高い男の人だった。
きっと、見る人間によってはお洒落に感じるのだろう。
でも私は、着崩したその制服姿にだらしないとしか感じず眉を潜めた。
その人の近くまで来た時、私はようやく顔を認識した。
横顔だけでも、端整な顔立ちをしているのがわかる。
きっと同学年ではないだろう。
こんな生徒、一年生の中には居ない筈だ。
黙って桜の木を見上げていたその人は私に気付いたのか、顔をこちらに向けた。
成る程と、私は納得した。
よく女の子達の話題に上がっている先輩とは、この人の事だと。
これは騒がれるのも無理はない。
それ程に、その人は目を引く。
見ているだけでも、目の保養になる。
するとその人は、見ず知らずの私に向かって微笑んだ。
『良いよね、桜って』
『…え?』
『今年はこれで見納めかなあ』
突然話し掛けられた事に動揺し、思わず足を止めてしまう。
疑問が沸く。
こんな人が花を眺めているなんて、正直いってその風貌からはイメージしにくい。
『…桜、好きなんですか』
興味本位から、私は尋ねた。
『うん』
その人は、曇りのない澄んだ笑顔で答える。
『だって俺、桜の一部だから』
はっきり言って、意味がわからない言葉だと思う。
だけど私は、驚きと喜びに震えた。
もう一つ、生まれて初めての感情が私のすべてを支配した。
まさか、私と同じような事を思っている人がいるなんて。
背の高い男の人だった。
きっと、見る人間によってはお洒落に感じるのだろう。
でも私は、着崩したその制服姿にだらしないとしか感じず眉を潜めた。
その人の近くまで来た時、私はようやく顔を認識した。
横顔だけでも、端整な顔立ちをしているのがわかる。
きっと同学年ではないだろう。
こんな生徒、一年生の中には居ない筈だ。
黙って桜の木を見上げていたその人は私に気付いたのか、顔をこちらに向けた。
成る程と、私は納得した。
よく女の子達の話題に上がっている先輩とは、この人の事だと。
これは騒がれるのも無理はない。
それ程に、その人は目を引く。
見ているだけでも、目の保養になる。
するとその人は、見ず知らずの私に向かって微笑んだ。
『良いよね、桜って』
『…え?』
『今年はこれで見納めかなあ』
突然話し掛けられた事に動揺し、思わず足を止めてしまう。
疑問が沸く。
こんな人が花を眺めているなんて、正直いってその風貌からはイメージしにくい。
『…桜、好きなんですか』
興味本位から、私は尋ねた。
『うん』
その人は、曇りのない澄んだ笑顔で答える。
『だって俺、桜の一部だから』
はっきり言って、意味がわからない言葉だと思う。
だけど私は、驚きと喜びに震えた。
もう一つ、生まれて初めての感情が私のすべてを支配した。
まさか、私と同じような事を思っている人がいるなんて。