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intimidation love
第3章 吉野と一葉
先輩が屋上から出て行った後、眉を寄せたハル君が私の顔を覗き込んで来た。

「ヨシノ、おまえ何言った?」

「…え?」

「あからさまにキレてただろ、あれは。それとも、普段からあんな態度だったのか?」

先輩を怒らせてしまったのは、確実に私だ。
でも、あそこまで先輩を怒らせた明確な理由が正直私にはわからなかった。

「とにかく、もうあいつとは関わるなよ」

「…うん」

今更近付けるわけがない。
それ以上に先輩の方が、私にはもう近付いて欲しくないと思っているだろう。

最初から、綺麗に終わらせる事など無理だったのかもしれない。
今度こそ本当に、終わってしまったのだ。
なのにまだあまり実感は沸かず、さっき泣いたせいか涙も出て来ない。

優しく手を握って来るハル君を心配させないよう、私は笑って見せる。
心の中でごめんなさいと、先輩に何度も謝罪しながら。
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