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地下室の被験者
第1章 夏の始まり
「ダメよ。あなたにそんな負担はかけられない」
「娘を学用患者にするなら私を学用患者にしてください。」
と言ったが桜田先生は
「いまデータとして欲しいのは未成年の女子で健康体の女子なんです。娘さんは理想的な学用患者なんですよ。もちろん最後までやっていただけたら妹さんの治療費は病院で負担します。」
といった。
「私は真緒の為なら何でもするよ。むしろやりたい。」
母親は泣きながら何度も美緒に謝り続けていた。
しばらくして母親も落ち着いてきたころ、真緒も部屋に呼んで経緯を話し会った。真緒は最後まで反対していたが美緒の強い押しによって結局学用患者として美緒が入院することが決まった。その場で様々な書類にサインをして、入院初日は翌々日の終業式が終わったその日からとなった。
自宅に帰り、書類を見ていると入院時の注意点が記載されていた。
・入院中の面会は週1回だけ。
・基本的に病室から自由に出られない
・入院中は決められた服を貸与する
・医者の指示には絶対に従う
・この入院中にあったことは口外しない
等々色々書いてあった。
外出が自由にできないというのが引っ掛かったが治療費免除になるだけでもありがたいことなので我慢することにした。
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