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第3章 さざ波




どのくらいの時間が経ったのだろう。

目の前は霞み、現実と快楽の狭間を逝ったり来たり思考機能は遮断され本能のまま、いや、圭吾のなすがままに叶和はその欲に躰を委ねているだけだった。

ねちっこく、絡みつく圭吾に翻弄され何回も逝きつき辞めてと懇願することにも疲れ、それでも尚、いまだに尽きることない精を叶和は受け入れていた。

圭吾が最後の精を叶和の腹部に放ったときには、叶和は限界を越え意識は等になくしていたが膣は圭吾を包み込んで奥に搾り込もうと絡みついている。

最奥に放ちたい本能を少しの理性で抑えつけその本能を叶和の躰の表面に放つ。

流石に圭吾も最後の精を放った後は体力も消耗して、彼方の横に倒れ込んだ。

自分の吐き出した白濁色の体液が叶和の躰を覆うさまを見てやり過ぎたと圭吾は思った。

叶和が最後の意識を飛ばす前に、無意識で言った、



『一人で居たくない』



と言う言葉を理由に、自分の出したモノに塗れた叶和を引き寄せ圭吾は瞼を閉じた。



身苦しさに叶和は目を覚ました。

目の前には見慣れない男の胸筋が。

昨晩の出来毎を思い出し、叶和は自分から誘って圭吾と寝たことを思い出した。

体制を立て直そうと身じろぐが腰に巻きつく腕に身じろぐこともできない。



「もう少し寝させて」



睡眠を妨害されて不機嫌そうな声が頭上から届く。



「寝返りを打ちたいんだけど」



腕の力が弱まり、叶和は圭吾に背を向け寝返りをうつと、ベットから出ようとする。

が、寝返りとともに緩んでいた腕に力が入り、這い出ることに失敗した。




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