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コーストライン
第3章 さざ波




暫くは、這い出ようとモゾモゾと身じろいでいた叶和だったが、余計に圭吾の腕に力が入り、



「また、ヤラれたいの」



背後から不機嫌そうに言われて、大人しく人間抱き枕になった。

躰中がベトベトして不快に思ったが、人肌の温かさと心体疲労のため、いつの間にか叶和も眠りについていた。


次に目覚めたときには、直ぐそばに感じていた体温はなくなり、不快に感じていた躰のベタつきもなくなっていた。

躰はだるいが余計なことを考えずに叶和は眠れたので、頭の中はスッキリとしていた。



「コレも片付けて欲しかった。。。」



ベットから抜け出し、昨晩のイロを色濃く残した惨状をシーツごと剥がして丸める。

手近な衣類を羽織ろうと見渡すが、見当たらない。

どうせ今からバスルームに直行だ、なにも身に着けず、丸めたシーツを持ち部屋を出た。



「なんでいるの」



バスルームに向かう途中、バスルームから出てきただろう、頭の水気をタオルで拭きながら廊下を歩いている、圭吾に出くわす。



「そっちこそ、なんでマっ裸なんですか」

「バスルームに行くからって言われたくないんですけど」

「イヤ、俺ちゃんと下履いてます」

「昨日さんざん見たから見慣れたでしょ」

「ソレとは違うと思うけど」

「福眼でしょ」

「イヤ、昼からはチョット」



あんなことがあった後の気まずさはなく、普段通り悪態つけることに叶和は安堵する。



「。。。ありがと」

「お役に立てて」



すれ違いざま、圭吾に叶和はそう言い残し、圭吾は叶和にそう返事を返し、叶和はバスルームに足を早めた。





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