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コーストライン
第3章 さざ波

圭吾は叶和がバスルームに入ったのをドアが閉まる音で確認して、キッチンへ行き冷蔵庫を開けミネラルウォーターを取り出し喉を潤す。
昨夜は、叶和に挑発され煽るように貪るように抱いてしまった。
記憶を飛ばさせるほど、叶和を抱き、自分の欲を纏ってピクリともしない叶和を見て圭吾は、今までない、なんとも言い難い感情に満たされていた。
実際、普段は叶和と生活のリズムが合わないのでなんとも言えないのだが、たまに会うカノジョは、凛として飄々としている印象を受ける。
それが、昨夜のアクシデントで普段からは見ることのない表情、自分が引き出した感じすぎて辛いと涙ながらキレ切れに訴える叶和を見ていたら、自分に従わせたい、カノジョを支配したい気持があることを知った。
カノジョが欲しいかと問われれば欲しいと答えるが、カノジョには年上のパートナーがいる。
圭吾にしても決まったパートナーはいないにしても、自分の容姿からしてそれなりの自分の欲を発散させるパートナーにはこと欠かない。
昨夜はたまたま、アクシデントとタイミングがあっただけ。
圭吾は普段セックスが終わったら、とっととベットを抜け出して部屋を出て、シャワーを浴びるのに、昨夜はおたがい汚れたままでも一緒に眠りについたと、普段と違うことに気づかない振りをして、今日もバイトだから、もう一眠りするか。
と、冷蔵庫を閉め首にかかっていたタオルで頭を拭きながら、圭吾は自分の部屋に戻った。

