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続・飼っていたペットに飼われています。
第53章 俺はただ君を守りたいだけ(スイ目線)
「おい、道違うじゃねーか! 降りる‼」
 こっちのほうが早いからと無理矢理サクラギの車に乗せられたものの、高木の家とは完全に違う方向に向かっている。
「まあまあまあ、落ち着いて? スイくんサキちゃんの誕生日に何かあげたことある? ないよね? あげく今日着てる服似合わないとか嘘付いたでしょ? サキちゃん傷ついてるって凛子さん言ってたよ。」
 飄々と運転しながら兄は言う。
「だったら何? だってあいつ最近やたら男の気を引くような服とか化粧とか始めて苛つくんだよ。ねえ、あいつ何考えてんの高木さん。」
「……そんなこともわかんないのかお前は! トオルくんを見習え。お前を助けるために透視能力とか色んなもの全部捨てたあと『いつ生まれ変わったトワに会えるかわからないからアイツに好かれる男になる』ってコツコツ努力した結果、いまや好感度ナンバーワンで抱いてほしい男性タレント1位だぞ。」
 後部座席で隣に座り俺が降りないようガッチリと肩を押さえつけながら高木は言う。サクラ…、いやトオルが兄だと言うことは納得してるし感謝もしているが、こいつを父とは認めたくない。
 ただ、肩に加わる力が強すぎて動けない。なんなんだこいつらは。
「「だから宇宙人だって!」」
 そう声を揃えて二人は笑う。高木とトオルに血の繋がりはないはずなのにこのシンクロ具合はなんだろうな…。
 まあでも、こいつらがこんな感じならサキは多分大丈夫なんだろう。仕方ないから付き合うよ。少し待ってろよ、サキ。
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