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癖の下僕
第4章 1話 市ヶ谷あかり
ちょっと不快に思いながらも
「誰が来るんですか?」
と、その不快な気持ちが先輩に伝わらないよう気を付けながら質問をした。
「テレビ関係の人なんだけど、ケイくんの件で、いろいろと相談にのってくれるって言うんだよ。結構業界に顔が利く人だから、いいかなって思って」
ケイとは今私がマネージャーをやっているシンガーソングライター・九段下啓のことだ。
私の働いている芸能事務所の売り出し中の新人で、顔も、作る曲も、歌声もいいのだが、デビュー一年目でまだヒットが出せていない。たぶんまだ芸能人としての魅力みたいなものが、まだ備わっていないのだろう。
朝の情報番組か、音楽番組の特集で紹介されれば、きっと人気がでるだろうと、何とか番組に出させてもらえないか四苦八苦しているところだった。
「それなら最初からそう言ってくださいよ。それなら自腹でも絶対行ったのに」
「そうだよね。だけど、まぁ、ちょっとね・・・・」
篠崎先輩は窓の外に視線をやりながらそう答えた。
なるほど。まあ芸能関係の人間というのは癖のある人間が多いものだ。以前も啓くんにいい仕事がとかなんとか言って近寄ってきた中年のおじさんと一晩を一緒に過ごしたことが一度あった。
しかし、そういった連中は決まって口だけで、結局地方の深夜番組に出してもらったきり、連絡もしてこなくなった。
あかりはもう二度と枕営業はしないと心に決めていた。
しかし、篠崎先輩がそんな話を持ってくるなんて、ちょっとがっかりだ。頼れる先輩だと思っていたのに・・・。まあ、適当にごちそうになっていざとなったら断ればいい。いくらなんでも無理やりということはないだろう。
そんな風に考えていると、
「でも、すごくいい人だから。清潔感もあるし・・・えーっと、かっこいいし・・・」
と必死にフォローしてきた。
そういう問題じゃないです。と思いながらも
「それなら安心です」
とばれない程度に引きつった笑顔で答えた。
「誰が来るんですか?」
と、その不快な気持ちが先輩に伝わらないよう気を付けながら質問をした。
「テレビ関係の人なんだけど、ケイくんの件で、いろいろと相談にのってくれるって言うんだよ。結構業界に顔が利く人だから、いいかなって思って」
ケイとは今私がマネージャーをやっているシンガーソングライター・九段下啓のことだ。
私の働いている芸能事務所の売り出し中の新人で、顔も、作る曲も、歌声もいいのだが、デビュー一年目でまだヒットが出せていない。たぶんまだ芸能人としての魅力みたいなものが、まだ備わっていないのだろう。
朝の情報番組か、音楽番組の特集で紹介されれば、きっと人気がでるだろうと、何とか番組に出させてもらえないか四苦八苦しているところだった。
「それなら最初からそう言ってくださいよ。それなら自腹でも絶対行ったのに」
「そうだよね。だけど、まぁ、ちょっとね・・・・」
篠崎先輩は窓の外に視線をやりながらそう答えた。
なるほど。まあ芸能関係の人間というのは癖のある人間が多いものだ。以前も啓くんにいい仕事がとかなんとか言って近寄ってきた中年のおじさんと一晩を一緒に過ごしたことが一度あった。
しかし、そういった連中は決まって口だけで、結局地方の深夜番組に出してもらったきり、連絡もしてこなくなった。
あかりはもう二度と枕営業はしないと心に決めていた。
しかし、篠崎先輩がそんな話を持ってくるなんて、ちょっとがっかりだ。頼れる先輩だと思っていたのに・・・。まあ、適当にごちそうになっていざとなったら断ればいい。いくらなんでも無理やりということはないだろう。
そんな風に考えていると、
「でも、すごくいい人だから。清潔感もあるし・・・えーっと、かっこいいし・・・」
と必死にフォローしてきた。
そういう問題じゃないです。と思いながらも
「それなら安心です」
とばれない程度に引きつった笑顔で答えた。