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癖の下僕
第5章 2話 篠崎紗矢
「もしもし、篠崎です」
いつもどおりのおっとりとした声を意識して電話にでると、低く透き通った新藤の声で、
「新藤です。今お電話大丈夫でしたか」
と丁寧な返事が返ってきた。
取り込み中です。と心のなかで思いながら
「大丈夫です。今自宅でストレッチしてたところですから」
と、どうでもいい嘘をついた。
「そうでしたか、邪魔してすみません。ちょっと相談があるんですが・・・」
新藤から相談とは珍しい。
「篠崎さんの事務所に九段下ってシンガーがいますよね」
九段下啓といえば、あかりの担当している売り出し中の新人シンガーソングライターだ。
ああいう中性的で色白な男は紗矢の好みではないが、しかし取り立てて嫌っているわけでもなかった。
たしか彼は昨日、赤坂でライブイベントをやっていたが、集客が少なくて大変な赤字になったと聞いている。
そういうこともあるだろうと、事務所の社長は気にも留めていようだったが、本人はだいぶ落ち込んでいるように見えた。彼に何の用だろう。とりあえず
「啓君のことですか?」
と答えると、新藤は
「そう・・・たしか九段下啓。その彼のマネージャーの女の子のことなんだけど」
そこまで聞いて、紗矢はピンときた。この男、あかりに気があるのだ。前にも同じような流れで仕事関係の、大学生アイドルをやっていた女の子を紹介したことがある
たしかその子とは全然うまくいかなくて、一回食事しただけで終わったはずだ。そんことを思い出しながら、
「あかりのことですか?」
お尻の穴についている汚れが床に着かないよう四つ這いになりながら紗矢はそう答えた。
いつもどおりのおっとりとした声を意識して電話にでると、低く透き通った新藤の声で、
「新藤です。今お電話大丈夫でしたか」
と丁寧な返事が返ってきた。
取り込み中です。と心のなかで思いながら
「大丈夫です。今自宅でストレッチしてたところですから」
と、どうでもいい嘘をついた。
「そうでしたか、邪魔してすみません。ちょっと相談があるんですが・・・」
新藤から相談とは珍しい。
「篠崎さんの事務所に九段下ってシンガーがいますよね」
九段下啓といえば、あかりの担当している売り出し中の新人シンガーソングライターだ。
ああいう中性的で色白な男は紗矢の好みではないが、しかし取り立てて嫌っているわけでもなかった。
たしか彼は昨日、赤坂でライブイベントをやっていたが、集客が少なくて大変な赤字になったと聞いている。
そういうこともあるだろうと、事務所の社長は気にも留めていようだったが、本人はだいぶ落ち込んでいるように見えた。彼に何の用だろう。とりあえず
「啓君のことですか?」
と答えると、新藤は
「そう・・・たしか九段下啓。その彼のマネージャーの女の子のことなんだけど」
そこまで聞いて、紗矢はピンときた。この男、あかりに気があるのだ。前にも同じような流れで仕事関係の、大学生アイドルをやっていた女の子を紹介したことがある
たしかその子とは全然うまくいかなくて、一回食事しただけで終わったはずだ。そんことを思い出しながら、
「あかりのことですか?」
お尻の穴についている汚れが床に着かないよう四つ這いになりながら紗矢はそう答えた。