この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
癖の下僕
第6章 3話 九段下啓
それから一年と少しが経過したが、、テレビなどの、大きな仕事をもらうことはできず、今までと変わらない地道な音楽活動を続けていた。
一度だけ、マネージャーをしてくれている、あかりさんが、地方のテレビ出演の仕事を持ってきてくれたが、ほとんど反響は出せなかった。
そして、昨日、勝負をかけた赤坂でのライブで集客が足りないという、大失敗をして今日に至る。
ライブは失敗に終わり、美咲には怒られ、啓はかなり落ち込んでいた。
こういうときは、自室でピアノに向かうのが、一番気がまぎれる。
啓は、部屋に戻ると部屋着に着替え、ピアノの鍵盤の上にそっと指をのせた。