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癖の下僕
第10章 7話 市ヶ谷あかり
 新藤による、激しい羞恥プレイから十日が過ぎた、四月の最後の週の火曜日、あかりは事務所の社長室に呼び出された。
「こないだの、啓君のライブの件だけど、あれは、いったいどういうことかな?」
権堂社長は、まじめな顔であかりに質問した。
 
三日前の土曜の夜、九段下啓とあかりは、渋谷にあるライブハウスの控室で、サポートのメンバーと一緒に出演の順番が回ってくるのを待っていた。
 ライブの動員数とお客さんの評価で、勝敗を競い合うイベントで、優勝すれば、もっと大きな会場での決勝大会への出演権が得られる。
 すでに、人気テレビ番組、キングダムシンガーへの出演を決めていた啓だったが、このイベントで決勝にすすめれば、名前に箔がつく。
 緊張した声であかりは啓に話しかけた。
「今日、優勝できれば、次はザップTOKYOね。お客さんはたくさん集められた?」
そう聞くあかりに啓は俯きながら、
「まあまあじゃないですかね・・・でも、あんまり自信ないです」
と小さな声で答えた。
「すっごくいい新曲もあるんだから、大丈夫よ。頑張って」
と励ますあかりに啓は、
「まだ、あの曲はレコーディングも終わってないし、このあいだのワンマンライブも人が全然入らなかったですからね。今日は六つもバンドが出てるし、いつも来てくれてるファンの子も来てくれるかわかんないですよ」
と不安に答えた。
 本来今日も応援に駆け付けるはずだった篠崎先輩は、先日、仕事を無断欠勤した次の日に、電話で急な休職を申し入れたきり事務所へ来ていない。
 篠崎先輩がいてくれれば、啓君も、もう少し元気でるんだろうな。そんなことを考えていると、会場のスタッフから出演の順番が回ってきたことを告げられた。

 ライブの評価はまずまずだったが、動員数が少なく、結局、最終順位は六バンド中、四位だった。
 新曲が完成して、テレビ出演も決まっている啓が、こんな順位で終わってしまったことに、社長は少なからず腹をたてていた。
「すみません・・・告知が足りなかったみたいで・・・」
そう申し訳なさそうに答えたあかりに、
「まあ、終わったことに、今更何を言ってもしょうがない。次のライブはちゃんとやるんだよ。じゃないと、とてもじゃないがテレビになんか出演させられない」
そういわれ、あかりは「はい。頑張ります」と答えて社長室を後にした。
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