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癖の下僕
第11章 8話 篠崎紗矢
次の日の朝まで、翔太が目を覚ますことはなかった。
紗矢は翔太より先に目を覚ますと、まだスヤスヤと寝ている彼の寝顔を見て、可愛い人だなと、そんな風に思っていた。
いつも通りに朝の支度を済ませると、家を出る予定の三十分ほど前に、翔太が目を覚ました。
寝ぼけた顔で、不思議そうにあたりを見回してから、紗矢の顔を見るなり、すぐに土下座して、
「ごめんなさい!僕、あの、昨日・・・あの・・・」
そこまで言って顔を上げると、苦笑いを浮かべて、
「どうなったんでしたっけ・・・・紗矢さん?」
と、質問してきた。
 私の名前だけは、覚えていたようだ。そう思いながら、昨日の夜のことを説明した。
 すると、再び土下座して、
「本当に、申し訳ございませんでした!この借りは、命を懸けてでも返す所存でありまして。その、あの・・・・僕帰ります!」
と、慌てて部屋を飛び出そうとしたので、
「もういいのよ。・・・・それに、助けてもらったのは、私の方だし」
と聞いて翔太は、どういうことなのか、紗矢に尋ねた。
 最初、話を濁しながら、話始めた紗矢だったが、真剣に話を聞く翔太に結局、オナニーを盗撮されたこと、新宿の公園で野外排泄を強制させられたこと、新宿の駅前を汚いパンツを履いて歩かされたこと、会社の社長に脅されていることなど、すべてを話してしまった。
 すべて話し終えてから、紗矢は、
「私が悪いの。私が変態だから・・・」
と言って泣き崩れた。
 翔太は、そんな紗弥を大きな腕で抱きしめると、
「そんなことないです。紗矢さんは脅されてしょうがなくやったわけですし、それに・・・それに、僕も紗矢さんのパンティが欲しいです」
と優しい声で言った。
 紗矢は一瞬泣き止んで、顔を上げると、涙目のまま翔太の頬を思い切りひっぱたいた。
 そうして、また泣き崩れて翔太の胸に顔をうずめた。
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