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癖の下僕
第11章 8話 篠崎紗矢
それから三週間が、何事もなく過ぎた。紗矢が近所での買い出しから、自宅マンションに戻ってくると、部屋の前でスーツ姿の三鷹翔太が待っていた。
「ごめんなさい。直接来てしまって。この間、紗矢さんの連絡先を聴くのを忘れてしまって。ご迷惑でしたか?」
すまなそうに言う翔太に、
「別にかまわないわよ。部屋に入って」
と言うと鍵を開けて部屋の中に翔太を招き入れた。
うっかり、昨日の夜、アナルオナニーに使い、そのままにしていた、べニア板に取り付けられたディルドを、翔太に見られてしまった。
それを慌てて隠して、顔を赤くしながら黙り込む紗矢に、翔太は真面目な顔をして、背筋をのばすと、
「ぼ、僕は、紗矢さんが・・・そういうことしてても・・・むしろ好きです!もっと好きになりました!」
とって敬礼した。
その姿を見て紗矢は、思わず声を上げて笑った。
「おかしかったですか?」と聞く翔太に、笑いを必死に抑えこんでから小さな声で、
「・・・・ありがとう」
と答えた。
そのあと、翔太は今後の計画について紗矢に話し始めた。
紗矢に一度会社に戻ってもらい、ボイスレコーダーをポケットに忍ばせて社長に会ってもらう。紗矢が襲われそうになる前に、翔太と女性警官で突入し、権堂社長を脅迫容疑で逮捕するとういうものだった。
作戦は、翔太の計画通りに進み、ボイスレコーダーで録音されてるとは知らずに、会社に戻ってきた紗矢を脅迫する権堂を、翔太が押さえつけ逮捕した。
逮捕した後で翔太は、他の刑事が社長室に来る前に、紗矢が他の人には見られたくない、汚れたパンティや、盗撮された写真を回収すると、証拠品として提出する決まりを破り、鞄に入れて自宅へ持って帰った。
その夜、新宿警察署の外で、事情聴取が終わり出てきた紗矢を、翔太が待っていた。
「お疲れでした。今日は大変でしたね、今日は帰って休んでください。自宅まで送っていきます」
と、声を掛けられると、紗矢は上目づかいで翔太を見つめ、
「今日は、帰りたくないわ」
と言って、翔太の胸に抱きついた。
ノースリーブの脇から匂う、紗矢の香りを嗅いで、翔太は顔を赤くしたまま固まっていた。