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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第41章 積年の恨み
「ちょっと待ってよ。それじゃ怪しまれない?何でこんな金持ってんだって。それにアタシ1人じゃ上手く話をつける自信がないわ」

鴨志田は金を渡した後の事を考えた。
相手はおそらく裏の世界の人間だろう。

どうやってこの金を工面したのか不審に思うはずだ。

「大丈夫だ、その金を渡せば向こうだって何も言わずにアンタを自由にしてくれるはずだ」

達也は口座にある金額を全て使ってでも鴨志田を自由の身にさせようとした。

「そりゃお金出せば納得してくれるけど…このままタダで済むってワケは保証できないでしょ。アタシ1人じゃ、上手く話を丸め込まれそうで…」

もうすぐ自由は目の前だ。だが、鴨志田は一抹の不安を感じた。

「この店のバックはヤクザだよな?」

達也は前方にある浴槽やマットを見て穏やかな口調で話しかけた。

「アタシも深くは知らないけど、多分そうでしょうね」

鴨志田は自由になれる喜びよりも、不安な気持ちの方が強かった。

「ならば人をたてよう、そしてアンタとその人物の二人で金を出せば問題ないだろう」

「まさかヤクザを使うの?」

目には目をっていう事なのか、鴨志田が余計に不安な表情を浮かべた。

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