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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第41章 積年の恨み
「1つ聞いてもいい?」

鴨志田が達也の膝に手を置いて聞いてきた。

「なんだ?」

「何でそこまで自分の母親を憎むの?仮にもアナタはあの女の実の息子でしょ?一体何が原因なの?」

達也は一呼吸置いてから話を切り出した。

「考えてもみなよ。何であの女がオレを引き取らないで亮輔を引き取ったのか。
本来ならオレを引き取るべきだろう。
まぁ、アンタ達の思惑があってそうならざるを得なかったんだろうが、その間あの女は1度たりともオレの前に姿を現さなかった。そりゃ亮輔を育てて忙しいのも解る。でもな、テメーが腹を痛めて生んだ息子に会ってみたいとは思うだろ、普通は?
だが、あの女はそんなことすらしなかった。
オレの事を影から何度も見て、目の前に現れたかったなんて言ってるが、ホントかどうか解りゃしねえ。

おまけにオヤジが死んだ時、葬儀にも顔を出してこねえ!
そりゃ確かにオレはオヤジとはソリが合わなくて、高校卒業と同時に家を出た。
でもそのオヤジが海外でしかも銃で打たれて殺されたんだぞ。

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