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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第41章 積年の恨み
あの女が来ねえ代わりに亮輔が来たが、アイツがオレの弟だったなんてその時初めて知った。

オレはオヤジが亡くなったのと、今まで見たことねぇ弟が現れて頭がパニックになった。

しかも、あの女、オヤジが死んだって伝えたら、一言、そう、亡くなったの。
それだけだ、まるで他人事みたいな言い方しやがって!
で、今さらノコノコ出で来て母親だ?ふざけんじゃねぇってんだ。

で、挙げ句には今までの罪滅ぼしとして金をくれた。ただそれだけだ。金はいくらあっても問題はねぇ、だが、今までの事を金でキレイさっぱり水に流そうってのはオレには納得がいかねえ!
だからオレはあの女に復讐するためにアンタと手を組もうと思ったんだ」

達也は時折語気を強めて捲し立てるかのように鴨志田に母親への恨みを語った。

「そう、そんな事があったの。アナタもその若さでかなり大変な思いしたのね」

鴨志田はガバッと達也を抱き寄せた。

「解ったわ。アタシもあの女には少しお返ししたいと思ってたの。何せこの有り様だからね。教師からソープ嬢に堕ちたなんて、これ以上の屈辱はないわ」

ここで完全にお互いの利害関係が一致した。

「オレはとにかく弁護士を探す。中には法律スレスレの危ない事も引き受ける弁護士だっているんだ」

「うん、解ったわ。じゃあなるべく早く連絡ちょうだい」

「もちろんだ、とにかくアンタをここから出さないと計画は始まらない。オレは逐一連絡を入れる。アンタは返事が返せる時に返してくれ」

達也も鴨志田も覚悟を決めた顔つきでしばし見つめ合い、達也は時計を見て、そろそろ終了の時間だとばかりに部屋を出た。

達也は何としてでも弁護士を見つけ、早々に鴨志田をここから出すことだけを考え、奔走した。

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