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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第42章 水面下での行動
すぐに返信が来て、大丈夫だというコメントだった。

達也は鴨志田に電話をかけた。

「もしもし、お疲れさん。今のところ順調だ。もう少しで返事がくるところだ」

【ねぇ、弁護士見つかったの?】

「いや、この前興信所に行って、どんな仕事でも引き受ける弁護士を早急に探して欲しいと依頼した。2,3日には返事が来る事になっている」

【興信所?なんでそんなとこに頼んだの?】

「自分の足で探すより手っ取り早いからだ。それに今、オレはオフクロと行動を共にしてる時間が多くて中々探す機会がない。だから興信所に頼んだんだ」

【で、アナタはその間何をしているの?】

「オフクロと亮輔を分断させるように手を打ってある。なんせあの二人、一緒にいる時間が多すぎるからな。知り合いに頼んで亮輔をつれ回して遊びに連れてってくれって頼んである。こうすりゃあの二人が一緒にいる時間が少なくなるからな」

【だって会社を乗っ取るんでしょ?別に古賀くんがいても何の障害にもならないでしょ?】

「いや、アイツが側にいると色々厄介だ。とにかく興信所から連絡が来たらすぐに紹介してくれる弁護士の下へ行く。申し訳ないがそれまで待ってて欲しい」

【…ねぇ、何かヤバい事企んでない?何か事件になるような事じゃ…】

「事件か…まぁ事件っちゃ事件には違いないな。でも心配することはない。まずはアンタが1日でも早く、あの世界から足を洗う事が先決だ」

【…わかったわ。その代わり弁護士が見つかったら早く連絡ちょうだい】

「大丈夫だ、オレを信用しろ。そのためにアンタをあの店から抜け出す事を優先に事を運んでいる最中だ。何度も言うが、アンタがいなきゃあの会社を乗っ取る事はできない。だからもうしばらくの辛抱だ、頼む」

【あまり無茶な事はしないでね】

「問題ない、今は下手な動きはできないからな。じゃ、また連絡入れる」

【うん、わかったわ】


電話を切り、達也は再度夜空を眺めた。

はっきりと満月が見える。

もうすぐだ。もうすぐでオレの思い通りになる。

達也は再び歩き出した。

(会社を乗っ取る方法はただ1つ、オフクロが消えてもらう事だ)

達也の野望は母親を消し去る事だったのだ。

不適な笑みを浮かべ、家路に向かった。

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