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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第43章 裏社会の弁護士
建物はかなり老朽化しており、外壁には無数のクラック(ひび割れ)がある。

勿論エレベーターなどない。

達也は恐る恐る階段を上った。
狭く、踊り場には無数のゴミらしき物が山積みになっている。

そして2階には塗装が剥げて錆び付いた扉がある。この中に例の弁護士がいるのか。

チャイムが無い為、達也はコンコンとノックした。

返事がない。

おかしいな、と思い、再度ノックをした。

すると中から、「あいよ~、勝手に入ってくれ~」という男の声が聞こえた。

ガチャっとドアノブに手をかけ開けた。
薄暗い部屋で窓が無い。

事務所というよりは住まいのような間取りだ。

奥の部屋は書斎になっているのか、本棚にはギッシリと分厚い本が並んでおり、その横で簡素な机で新聞を読んでいた初老の男性がこちらをジロリと見た。

達也は背筋が寒くなるような身震いをした。

それはその初老の男性の目が眼光鋭く、達也を動けなくさせる程の恐怖な眼差しだった。

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