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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第43章 裏社会の弁護士
「おい、そんなとこに突っ立ってねえで入ったらどうだ」

しゃがれた声をした男は、玄関に立ち尽くしている達也に入ってこいと促した。

靴を脱いでその男の座っている机の前で達也は今まで経験したことの無い、不気味さを感じた。

「おぅ、なんだ若いの。用があんだろ?」

男は達也に目もくれず、新聞に目を通していた。

「え、はい、あの弁護士さんは…」

達也は眼前にいる男が弁護士だとはわかっていたが、念のため聞いてみた。

「他に誰がいるんだ。ここにはオレしかいねぇんだよ」

ぶっきらぼうにその弁護士は答えた。

眼光は鋭いが、キチンとスーツを着て、それなりの格好をしていた。だが、弁護士のバッチは付けていない。

達也はこの不気味さに怯え、帰りたくなったが、後には引けず、思いきって興信所の男から聞かされた例の合言葉を言ってみた。

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