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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第61章 死に場所
この先が見えない日々に絶望を感じ、いっそこのまま死んでしまおうかと思い、亮輔は死ぬ場所を探しに歩いた。

どこかに高い建物はないか、そこから飛び降りれば楽になる、もうこんな生活から解放されるには死ぬ事以外無いと思った。

やがて、高層のマンションが前方に見え、あのマンションの屋上から飛び降りよう、そう決めてマンションの入り口まで来た。

だが、そのマンションはオートロック式で中に入る事は出来ない。
(死ぬ事さえも出来ねえのか、オレは!)

このマンションがダメなら他の建物を探そう、亮輔はまた歩いた。

何時間歩いたのか解らない、ただ死に場所を求めにひたすら歩いた。

ふと道路を挟んだ向かい側に、募集という文字を目にし、亮輔は道路を渡り、その募集と書いてある貼り紙を見た。

【寮完備、見習い歓迎 舗装工事作業員募集 年齢不問】と書いてあった。

舗装工事と言えば聞こえはいいが、土木作業員、昔で言えば土方という日雇い人夫の事だ。

(肉体労働か…死ぬかここに連絡するか)

亮輔はその貼り紙をしてあった建物の前でしばし考え込んだ。

(ここに連絡して、ダメなら死のう)

今すぐにでも連絡したいが、もう夜も更けている時間だ。

このままどこかで野宿して、翌朝になったら連絡しよう。

亮輔は公園のベンチを探した。

辺りは住宅街で、公園らしき場所は見当たらない。

亮輔は立ち止まり、財布の中身を確認した。

残り20万弱、よしインターネットカフェで一晩過ごそうと思い、駅前にあったインターネットカフェに入り、横になった途端、歩き疲れたのか、すぐに深い眠りについた。
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