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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第63章 母性愛
血だらけになり、激痛と共に達也に浴びせられた言葉のショックで亮輔は失意のまま駐車場を出た。

その時、血に染まった顔を隠す為、下を向いて歩いてた亮輔がドンと前を横切った女性とぶつかってしまった。

「あ…ごめんなさい。…あれ古賀くん、古賀くんでしょ?どうしたのこんなに怪我して?」

声の主は鴨志田だった。

「先生…」

何故この会社に先生がいるんだ?
確か母親の話だと、ヤミ金に追われ身柄を拘束され、ソープに沈められたはずじゃ。

だが、目の前にいる鴨志田は、高校の教師をしていた頃の髪を一つに束ねてメガネをかけ、相変わらず大きな胸が目立つスーツ姿で、最後に会ったソープランドの店の前で見かけた格好とは随分雰囲気が変わった。
変わったというより、元に戻った出で立ちだ。

「古賀くん、そんな血だらけになってどうしたの?」

「…」

亮輔は無言のまま立ち去ろうとした。

「待って」

鴨志田は亮輔の腕を掴み、ハンカチで出血していた鼻や口元を拭いた。

「誰にやられたの?」


「…」
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