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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第63章 母性愛

相変わらず無言のままだ。

「まさか社長が…」

社長?社長ってまさか…

「先生、ここの会社の社長ってもしかして…」

鴨志田にも聞きたい事はいっぱいあった。鴨志田も亮輔の事は気がかりでいたので、鴨志田は亮輔に肩を貸すようにして支え、建物と建物の隙間に押し込むようにして止まらない出血をハンカチで押さえていた。

「何で先生がここにいるんだよ…まさか先生もこの会社の人間なのか?」

激痛に耐えながらも、亮輔はビルの外壁を背にしゃがみこんでしまった。

殴られ蹴られ、挙げ句の果てには血の繋がらない兄弟だ、とも言われた。


「とにかく、ここじゃ人の目が気になるからどこかで治療しないと…」

「先生、確かソープランドに働いてはずじゃ…」

「…古賀くん、ここじゃちょっと…場所変えましょう」

鴨志田はスマホを取り出し、どこかへ連絡している。

「もしもし、おはよう。今日ちょっと例の件で面接があるんでけど…ええ、2,3人程来る予定なので。うん、申し訳ないけど、はい、では失礼します」

そう言って電話を切った。

「古賀くん、どこか人目のつかない場所で話をするから」
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