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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第77章 一生付きまとう
授業中、凜がオレの顔を覗きこみながら心配そうに声をかけた。

「古賀くん、大丈夫?何か顔色悪いけど。おまけに眉間にシワなんか寄せて、何かあったの?」

眉間にシワ…?

そんな険しい顔してたのか、オレは。

ここのところ、兄の幻影に悩まされ続けている。

振り払おうと思えば思うほど、幻影がまとわりついてくる。

死んでまでオレに取り付こうというのか。

「いや、何でもない。ただ眠いから眠気を覚ます為にガマンしてるだけだから」

オレは黒板に書かれている数学の公式をノートに書いた。

「ちゃんと寝てるの?いつも何時に寝てるの?」

「大体12時から1時の間には寝てるけど」

「で、朝は何時に起きてるの?」

「6時ちょい前かな」

「ダメだよ、もう少し早く寝なきゃ。いくら若いっていっても寝不足は良くないんだから」

うぜーな、コイツ。

何かとオレの事を心配してるみたいだが、大きなお世話だ。

何をしても兄の幻影がちらつく。

それを振り払うには、何かに夢中になればいいんだ。
しかし、今のオレに夢中になるものなんてない。

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