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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第78章 レンタルボーイ、レンタルガール

今オレが思っている事を全て墓前で話をしていた。

返事なんか返ってこないが、オレはそれでも墓前で鴨志田と会話をした。

ここに来ると、兄の事は自然と頭の中に浮かんでこない。

鴨志田はオレの事を守ってくれているのだろうか…

「じゃ、また来月ここに来るよ」

オレは墓に手を振り、寺を後にした。

幻影か。この事を受け止めなきゃならないのか…

欲にまみれ、くたばったクズが死んでもオレの前に現れてくるような錯覚さえ感じる。

コイツとは長い付き合いになりそうだ。

オレが死ぬまでまとわりついてくるのだろう。

それならば、いつまでもオレに取り付いてりゃいい。
死んだら終わり。後は何も残らない。
自分に言い聞かせ、アパートに着いた。

テーブルにスマホが置きっぱなしになっていた。

朝、慌てて出ていったから、スマホを持っていくのを忘れてしまった。

スマホを手にすると、凜から何度も着信があった。

一体何だろう?
オレは凜に電話をかけた。

【はぁい、もしもし】

「あ、もしもし、古賀だけど。何度も連絡があったから気になって電話したんだけど」

【そうだよ、さっきからLINEしても既読にならないし、電話かけても出ないからさ】

「あぁ、今日オフクロの月命日だから墓参りに行く時に慌てて出たからスマホ忘れてたんだよ、悪ぃな」

【そうなんだ。大した話じゃ無いんだけど、もう夕方になるでしょ?一緒にご飯でも食べようかなって連絡しただけ】

飯の誘いか…

1人で食うよりはマシか。

「あぁ、いいよ。じゃどこで待ち合わせする?」

【駅前にフレンチやイタリアンの料理が出来る居酒屋があってね。そこで待ち合わせしない?】

居酒屋なんてあったかな?
まぁ、行けば解るだろ。

「わかった。じゃあそこで待ってる」

【うん、私も今から支度してそっちに向かうね】

居酒屋ったってオレはまだ未成年だからいいのかよ、そんな場所に連れて飯か?

オレは支度して家を出た。

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