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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第100章 それぞれの性的嗜好
オレもアブノーマルだろう。
母親とセックスして、ゲイともセックスしてしまうぐらいだ。

世の中には色んな人がいる。

胸が好きという人もいれば、尻が好きだという人もいる。

それと同じように、同性愛じゃなきゃダメだという人もいれば、この女優の様に女装させて楽しむという人もいる。

つくづく人間は奥の深い動物だと考えさせられる。

ただ、解った事は、このような嗜好を公言出来る人と、出来ない人がいるという事。

この前の司会者も、ゲイだという事をカミングアウトすれば、今まで築き上げてきた地位を失う可能性だってある。

だから皆、嗜好があって当たり前なのだと。

この女優だって、男に女装させて、楽しんでるなんて言えば、今後の芸能活動に支障が生じる。

まぁ、こんなスケスケの下着姿で偉そうな事言っても説得力がないが、アブノーマルやフェチズムなんて誰もが持っているはずだと思う。

そう考えたら気が楽になり、セーラー服の次はキャリアウーマンのようなタイトスカートにハイヒール、更にはギャル系のファッションにやたらと長いネイルを付け、一緒に繁華街を歩いた。

うつむきながら繁華街を歩いていたオレはいつしか堂々と前を向いて歩くようになり、最終日を無事に終えた。

ゲイの時と同じように、女装にも興味を持ち始めてしまった。

これはある意味、社会勉強なんだと。

普通の16才じゃ経験出来ない貴重な経験なんだと自分に言い聞かせた。

そして瓜田がマンションまで迎えに来た際、大女優は封筒に入ったお金をオレにくれた。

中を見ると、100万円の束が3つ入っていた。

1週間女装をして300万?
ホントに貰っていいのだろうか…

「亮輔くん、また一緒に遊ぼうねぇ~、それじゃまたね~」

女優はそう言って頬にキスをした。

「ではそろそろ行きましょう」

瓜田の声でオレはマンションを出た。

この仕事はオレにとって天職なのだろうか。

人に買われる職業か…
あまりいい気はしないが、こうやって大金を得られるんだから、今更普通の仕事には戻れないだろうと思った。



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