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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第103章 慢心
母親の治療費だけはキチンと支払ったが、残った金は貯金せずに散財する。

もしその小遣いに手を付けないでコツコツ貯めていたら、マンションや一戸建てが買える程の金額を派手に使いまくった。

金は人をも変えてしまう。

あれだけ忌み嫌っていた兄と同じで、金カネと二言目にはそればかり言うようになった。

そして5回目のクレームが来たとき、オーナーの堪忍袋の緒が切れた。

「今すぐ荷物まとめてここから出ていきなさい!貴方はこの仕事を何だと思ってるの?そんないい加減な仕事する人間はこの会員には必要ないわ!さっさと出ていきなさい!」

(うるせー、何が仕事だ?非合法の仕事だろうが。オレがチクッたら警察が家宅捜査するんだぞ、バカヤローが!)

反抗的な態度を見せたオレを見てオーナーはオレの部屋に入り、ギターを床に叩きつけ壊し、更にはテレビ、Blu-rayその他の家電製品を壊したギターでガンガンとぶっ壊し始めた。

「何しやがんだ、テメー!それはオレの金で買った物じゃねえかっ!」

オレもキレてオーナーに掴みかかった。

「うるさい!弾けもしないでギターなんか買ってんじゃない!瓜田くん!この男さっさと追い出してちょうだい!」

鬼のような形相でオーナーは瓜田に命令し、オレは羽交い締めにされ、マンションを追い出された。

「あのクソババア、ふざけやがって!オレがいなくなったら誰がオレの代わりが出来るんだ?どうせまた仕事やってくれってオレに泣きついてくるんだろうが。誰のおかげでテメーがいい思いしてると思ってんだ、おいっ!」

ドアの外でオレは怒鳴りまくり、ガンガンと蹴りまくった。

あんなクソババアと離れてせいせいした。

オレはその足で、家賃だけでも数十万という高級マンションを借りた。

保証人は代理で引き受けてくれる会社に依頼して、すぐさま契約を交わした。

だが、これが転落の始まりだった。
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