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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第104章 不安による再発
今ならまだ間に合う。
だが、それを許さないもう一人の自分がいた。
葛藤しているうちに、不安になり、また過呼吸が再発した。

一人部屋でもがき苦しんでいた。

異常なまでの速い鼓動に、呼吸が出来ず、ただハァハァとゆっくり呼吸をしてみるが、中々修治まらない。

一旦は楽になったが、また過呼吸になり、この負のスパイラルから抜け出せずに気が狂いそうだった。

そして、オレは何て愚かな考えをしてたのだろう、と後悔した。

そもそもこの仕事を始めたのは母親の治療費を稼ぐ為だった。
それがいつしか大金を手にし、贅沢三昧の日々を送り、気の緩みからか、客の要求をことごとく突っぱねた。

今にしてみりゃ、何故あんな事をしたのか…
オレは自分を攻めた。そしてまた過呼吸に悩まされた。

以前のオレなら、もう死んでもいいや、と思った。
だが、母親の治療費の為にはまだ死ねない。

元通りになれるかどうかは解らない。
だが、オレが母親にしてやれる事は、とにかく治療費を捻出する事以外にない。

こんな高い家賃のマンションに住んでる場合じゃない、身の丈に合った生活をしなければ…

答えは既に出ている。
オーナーに頭を下げてまた仕事を貰うしかない。
だがその一歩が踏み出せずに足掻いていた。

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