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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第108章 母への憧れ
オレはニューハーフという部類の人の考え方はよく知らないが、生まれながらにして、女の脳を持ちながらも、男に生まれてくるってのは辛いのだろうな、オーナーの言葉を聞いて少しは理解出来たような気がした。

「で、母とは同級生だったんですよね?その頃の母ってどんな感じでしたか?」

母親の高校時代はどんな感じだったのだろうか、聞いてみたかった。

「千尋ちゃんは成績も良くて、美人だったし、彼女を狙ってた人が多かったわね。
私ね、彼女に憧れてたの。
あんな風になりたいなぁ、って。千尋ちゃんは当時は真面目だったから、彼氏とかいなかったんじゃないかな」

あの母親が真面目…
どうなったらあんなふしだらな女になったのだろうか?

「オーナーは母と仲良かったんですか?」

「1度席替えで隣になった事はあったけど、私は千尋ちゃんに何話せばいいのやら、ましてや憧れの女性だったから、あまり話は出来なかったわね。もう、彼女が隣の席だという事で舞い上がって、横目で千尋ちゃんを見ながら、仕草とか話し方を観察してたの…」

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