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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第110章 清濁併せ持った人間になりなさい

穏やかでオレの心に語りかけるかのような口調でオレの今の心境を聞いてきた。

「…何だか。何て言うか、安らぐみたいな感じがして…母親に抱かれてるみたいな感じっす」

でも、何がなんでも任務を遂行しないと消されるって、やっぱりヤクザだよな…

「最初に言ってましたよね?何があってもレンタル期間中は途中で抜け出す事が出来ないって?もし抜け出したら消されるって…」

するとオーナーは爆笑していた。

「そんな事するワケないでしょ!誰がそんな噂流したのかしら?あれはこういう目に遭うよってだけで、実際に消したら私は今ここにいないわよ。とっくに捕まってるじゃない。
途中で抜け出したら、報酬は0。それがどういうワケか消されるって話になってるみたいね。
でも否定はしないの。
それだけ責任感を持って仕事しなさい、って事。まぁ、そのせいもあってか、今まで1人も途中で抜けた会員はいないから、それでも構わないけどね」


オーナーは母親と同じ身体つきをしている。胸の大きさからウエスト、ヒップまで母親のクローンと化したようなスタイルで、語りかける口調や、こんな時は必ずオレを優しく包みこむようにしてくれた。

「これも千尋ちゃんから教わったの。でもただ抱きしめるだけじゃないの。気持ちを込めて愛しく母性溢れる様にしてあげると亮輔くんは心が安らいでくるって言ってたゎ」

母親はオーナーにオレの事を事細かに教えてくれたのか?
何でだろう?まるでこういう風になるかのように予測していたのか。

「実はね、千尋ちゃんに頼まれたの。【もし、私の身に何かあつたら亮輔を頼むわね】って言われたの。だから最初に亮輔くんに会った時、すぐに採用したのはそれが理由だったの」

…母親はいずれそうなる事を見越してオーナーにオレの面倒を依頼したのか…?

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