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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第111章 お願い、養子になって
今のオレにはまだ理解出来ない…
人は信用できない、ましてやこのオーナーでさえも、オレは信用していない。

「私もね、随分と色々な事してきたわ。さっき言ってた清濁の濁の部分ばかりしてきたの。
でもね、時には清の部分も必要なのよ。人を許す事も大事なことなの。亮輔くんはこの先色んな事が待ち受けているわ。その時、力になってくれる人を見つける為には絶対に信頼出来る人が必要になるから」

「そうでしょうか?」

「そうよ、1人じゃどうしようも出来ない事なんていっぱいあるんだから」

「…」

「亮輔くんは学校では学べない貴重な経験をしてるの。でね、それを生かして人を見極める力を養いなさい」

「…はい」

とりあえず返事はしたが、オレの気持ちは変わらない。

「さて、もう一回スル?」

そしてまたオーナーとひたすら交わった。

朝昼晩、構わずに抱き合った。


1ヶ月はあっという間だった。

最終日、オーナーはオレに養子にならないかと言われた。
「亮輔くんを見てると母性本能をくすぐられるみたいで、何だかホントの子供みたい。ねぇ、養子にならない?」

養子と言われても、オレは母親の事が気がかりだ。

「でも、まだ母は生きてますし。元に戻る可能性はかなり低いですが、オレはまだ母の息子でいたいんです」

これはウソ偽りではなく、本音だ。

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