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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第111章 お願い、養子になって
オーナーの目を見て、はっきりと答えた。

「そのつもりよ…千尋ちゃんは私の恩人だもの。それも全部含めて面倒を見るから私の子供になって!ね、この通りだから」

オーナーはオレに向かって頭を下げた。
「そんな事しないで…オレは学校に通えて、母親の面倒が見れるなら、養子になっても構わないですから…」

「ホント?」

「はい…」

オーナーは今にも飛び上がらんばかりに喜んだ。
ギュウっと抱きしめ、また囁いた。

「お母さんて呼んでくれる?」

「…お母さん」

「ありがとう…ありがとう亮輔くん…」

オーナーは涙を流し、喜んだ。

「良かった…私にも子供が出来て…安心して、もうアナタにレンタル会員をさせるつもりは無いわ」

「はい…」

「もう、そういう時は【解ったよお母さん】て呼んで!」

「う、うん。お母さん、解ったよ」

オーナーは唇に軽くキスをした。

「あぁ、私の夢が叶った…女になって子供にお母さんて呼ばれるのが夢だったの…」

幸せを噛み締めるかのようにオーナーは喜びに浸っていた。

「じゃあ、早速引っ越しの準備ね!明日ここに荷物を運ぶようにしましょう。ね、亮輔?」

完全に母になりきってる。
でも、これでいいのかな?

オーナーと一緒に暮らして学校に通って、大学も行ける。

よし、決めた。

オーナーの養子になろう。

「じゃあ、明日荷物を運んできますから」

「他人行儀な話し方は止めて。
普通にお母さんと子供の会話みたいにして…」

「…うん、じゃ明日マンションから荷物持ってくるから、お母さんも手伝ってくれる?」

「うん、勿論よ。明日は一緒に引っ越しの準備ね!」

オーナーはウキウキしていた。

「じゃ、今日はこれで帰って荷物まとめるから。明日の昼頃にはここに持って行けるようにするから頼んだよ、お母さん」

「うん、気をつけて帰ってね」

オレはマンションを出て、荷物をまとめる準備をした。

だが、これがオーナーの最後の言葉になるとは、予想もしなかった…


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