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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第132章 慢性化する過呼吸
この前はオレがコイツを質問攻めしたが、今日はオレが質問攻めにあってる。

「さぁ、何せお前と一緒で、オレが産まれて間もなくして離婚したから、アニキの顔すら知らない。
まぁ、戸籍上はアニキだけど、実際は血が繋がってないから親が亡くなった時点で赤の他人だよ」

ウソは言ってない。
オレと兄は全く血の繋がりはないのだから。

「…」

ナツもどう言えばいいのか迷っている。
そりゃそうだ、そんなヤツに掛ける声なんてあるワケがない。

「ところで、お前と姉ちゃんは戸籍上、姉妹って事なのか?」

「うん…一応そうなってるけど。そうか古賀くんもお兄さんと会ってないのか。何か私たち一緒だね、境遇が。
古賀くんはお兄さんに会いたいとか思わないの?」

急に忌まわしいあの出来事が鮮明に蘇ってきた。

あのくそアニキのせいで、母親は灰人になり、鴨志田は自殺に見せかけた殺人で消された。

…ぐっ、まただ!また呼吸が苦しくなった。突如速まる心拍数、いてもたってもいられなくなり、じっと座っている事さえ出来ない。

オレは口元を手で覆い、なるべく鼻で呼吸しようとした。

だが、また兄の幻影のせいか、一向に治まらない。

「…はぁ、はぁ、はぁ~…ぐっ、はぁ、はぁ、苦しい…」

「どうしたの?古賀くん?」

ナツは驚き、どうしていいか、解らず狼狽えていた。

「すぐに…治る…はぁ、はぁ、ぐっ、くそっ!はぁ…」

オレはベンチで横になった。

ナツは過呼吸だと解り、オレの背中をさすった。

「古賀くん、大丈夫?ゆっくり呼吸して、大丈夫だから。私ここにいるから安心して…」

オレは苦しいながらも、この言葉でナツとこれからも会っていきたい、例えバレてもいい、その時はその時だ、と。

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