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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第134章 悪魔にもなれなかった雑魚
沢渡さんはまた腕を組み目を閉じた。多分どこまでオレに話せばいいのか、考えてるのだろう。

「お兄さんが社長に就任したのが19才、私がスナックを任されたのが同じ19才。
もうお兄さんはこの世にいないが、彼は会社を混乱させるだろうと思い、直ぐ様新たに税金対策の為の会社を設立した。
そして、徐々に新しい会社をメインにするために色々と水面下で私は動いていたんだよ。
案の定、お兄さんがやってた会社、つまりお母さんが設立した会社はあっという間に傾き、お兄さんは事故で亡くなった。
そして南米でお母さんが発見された時に言った事を覚えているかな?」

沢渡さんはあの時、確か兄のせいで会社が傾き、大手の企業に吸収されたとか言ってたはずだ。

「兄のせいで、会社は倒産寸前とか言ってましたよね?」

「そう、そのお母さんがせっかく作った会社なんだが、お兄さんがメチャクチャにしてね。
こう言ってはなんだが、もしお兄さんが生きていたら、莫大な借金を背負って、どうなっていただろな」

オレは初めて聞かされた話しにただただ唖然としただけだった。

「まず、君の実のお母さんである鴨志田さんが秘書として入った時、私は彼女の経歴を調べたんだよ。最初は経営コンサルティングだなんて言ってたが、何て事はない、高校の教師をしていて、浪費癖のせいで風俗に身を落としていった。
それをお兄さんが救って、会社を乗っ取る為に利用された。
つまり、君の実のお母さんもお兄さんにそそのかされただけなんだ」

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