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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第158章 新たな顔

「だろ?オレもお前になりきってら、手術は成功だ」

達也は小島になり、小島は達也に変わったのだった。

「小島、もう少しここで遊んでから帰ろうぜ!日本に帰ったらお前は社長だ、上手くやってくれよな」

「…う、うん。だがクセとかバレないようにしないと」

「お前左利きだろ?人前では右手使うようにしろよ」

達也は右利き、小島は左利きだ。
ちょっとしたクセの違いでバレてしまう。

「それと声だ。しばらくは旅行先で喉をやられて声が上手く出せないとか言って常にマスクをすれば解らない。よし、今日はまた歓楽街で再スタートを祝って遊びまくろうぜ!」

「…お、おう。じゃ楽しんでから日本に帰ろうか」

達也のアイデアで顔をすり替えた小島だが、一抹の不安を抱えていた。

(オレ、アイツになりすませるのだろうか?第一社長だなんて…)

「小島ぁ、心配すんな!お前は日本に帰ったら社長だ。いいか、ただひたすら横柄な態度とってテキトーにしてりゃいいんだよ、な?簡単だろ?」

「そ、そうかな?」

「いいか、会社の金はお前の金同然だ。自由に使って一生遊べる程の金を手にして、会社が傾き始めたら他のヤツに社長業を譲ってやりゃいいんだよ!
その後、会社が潰れようがお前には全く関係ないからな、どうだ、この作戦は?」

金…人間はこの言葉に弱い。

金の為なら人を欺く。人を陥れる。そして人の命をも奪ってしまう。

「とにかく今日は遊ぼう、遊んで遊びまくろうぜ」

達也の陽気な言葉に小島は金の欲にかられ、日本に帰ったら社長としてやりたい放題に好きな事をしよう、徐々に小島の表情が明るくなっていった。

(バカが、もう会社には金なんて無えんだよ!そしてお前はオレの身代わりで消される…今日がお前の最後の女遊びだ!)

そんな事は露知らず、小島は女を選んでいた。




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