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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第159章 身代わりの哀れな最期
ポケットにはそのパスワードが書かれているメモが入っている。
1秒でも早く会社に着いて、そのファイルを開けて金を横流しして遊びに行きたいからだ。

勿論、それは達也のウソであり、会社の金のほとんどは達也が既に懐に入れてしまったからだ。

小島はダッシュで駅に向かった。
早く帰ってパソコンを開かねば…

「来たぞ」

駅前に停めてあった車の窓から小島が息を切らせながら走っていった。

「よし、ここで待ってろ。オレもホームに向かう」

達也は車から降り、駅のホームへ歩いていった。

小島が駅に着いた時はラッシュアワー時で、サラリーマンや学生達がいっぱいで順番待ちをして電車が来るのを待っていた。

達也は反対側のホームで小島を探していた。
達也のいるホームは郊外へ向かう方面の電車のため、反対側のホームに比べると乗客数は少ない。

「いたっ」

達也は小島を見つけた。

順番を待つ乗客や行き交う人に肩がぶつかりながら、イライラしてるのが遠目からでも解る。

「邪魔だ、どけっ!」

小島のイライラは最高潮に達し、前へと乗客を押し退けながら電車が来るのを待った。

そして通過する急行列車に構内では、ホームの線に下がってお待ち下さいとアナウンスが流れた。

急行列車が速度を落とさず駅を通過しようとした。

達也はその瞬間、数人のサラリーマンに囲まれ、後ろから押されるような形でホームから転落した。

そして急行列車に轢かれ、小島は肉片となって線路に飛び散った。

達也はその様子を眉1つ動かさず、小島が木っ端微塵になるのを見届けて立ち去った。

騒然とする構内、気を失う乗客、パニックとなり、反対側のホームは乗客が右往左往していた。

(じゃあな、小島。オレの代わりになってくれてありがとよ。次は反対側のロータリーにいるあのジジイがターゲットだ!)

周りが騒然とする中、悠然と駅を出て、待機していた車に乗り込み、弁護士の住んでる老朽化した建物に向かって先のりした。



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