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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第160章 スパイはナツ
小島は達也の顔に変え、あっという間に狙われ、事故に見せかけたかの様にホームから転落して急行列車にはねられ肉の塊となってあちらこちらに手足や内臓が散乱していた。

(オレがもしアイツと顔をすり替えなければオレがあんな風になっていたのか)

達也はこれで次のターゲットを決めた。

反対側の駅のロータリーには黒塗りの高級車に沢渡と弁護士が同乗していた。

「どうやら上手くいったみたいだな」

「そうですね。やっとハエが退治出来ましたよ。先生、ありがとうございます」

「ガキのクセに意気がるからあんな風にバラバラになってしまうんだ、ホントにバカなヤツだ」

「たかだか大学生風情が会社を経営できるワケなんてないんですよ。まぁ、これで邪魔者はいなくなりました」

「ハタチを目前に控えて無様な死に方するんだ、自業自得だろ」

葉巻を吹かしながら弁護士は沢渡が持っているアタッシュケースに目をやった。

「あぁ、遅れて申し訳ありません。これが今回の費用です。キャッシュで一億、ご確認下さい」

沢渡はアタッシュケースの中を見せた。

ギッシリと札束が入っていた。

「確認しなくても解るよ。アンタはウソはつかないからな」

葉巻の煙をくるらせながら弁護士は始末した連中に連絡した。

「どうだった?…そうか、バラバラか。じゃあ後で金は払う」

小島を始末した連中は構内が騒然とした後、乗客のパニックに乗じてその場を去っていった。

任務完了という事だ。

だが、その反対側の駅前には小島に扮した達也が車の助手席に座って、スパイの役割をした人物に弁護士の住んでるオンボロのビルへ向かった。

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