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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第160章 スパイはナツ
沢渡から金を受け取り、ここで車を降りるつもりだろう。

達也とそのスパイは一足先にビルの近くに車を停め、作業着に着替えた。

後は弁護士が来るのを待つだけだ。

「来たぞ」

達也の言う通り、黒塗りの高級車がビルの手前で停まり、弁護士がアタッシュケースを持って降りた。

車は弁護士を送った後、すぐに走り出した。

達也たちは少し離れた場所からその様子をみていた。

「いなくなったな…よし、じゃあ仕事にかかるか、あのアタッシュケースには大金がかなりあるはずだ。
それを山分けしてあのジイさんはあの世で作戦が失敗に終わったことを後悔するだろうな、はっはっはっはっは!」

達也とスパイは作業着で台車の上に大きな段ボールを置き階段の入り口付近には台車が置かれていた。

そしてその段ボールを抱え、弁護士の住む2階へと向かった。

これならば宅配業者と思うはずだ。

そして達也とそのスパイは2階の弁護士の部屋の前に立ち、ノックをした。

【コンコン】

「誰だ、空いてるぞ」

いつものように鍵はかけてない。

「すいませーん、宅配便です」

「宅配?何も贈られてくる物などないぞ、帰んな」
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