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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第176章 漂流街
「じゃあ、今度はこっちは質問させてもらうが」

ソンヒョクは安全靴に仕込まれている刃を研ぎながら達也に質問をした。

「質問?答えられる範囲ならば」

達也はリングを下りて建物の隅に置いてあった灰皿の前にある椅子に座りタバコを吸おうとした。

「…あれ、無いや。なぁソンヒョク、タバコ持ってないか?」

どうやら宿泊所にタバコを置き忘れたらしい。

「何だお前、タバコ吸うのか?」

「どうしても止められなくてな。タバコ持ってないか?」

達也はかなりのヘビースモーカーで1日に3箱吸う。
何もやる事がないから自然とタバコを手にしてしまい、気づいたら起きてる間はしょっちゅうタバコに火を点けている。

「…なんだよ、せっかく止めてたのに」

ソンヒョクは建物の奥にある、パイプ式のベッドの横にある机の引き出しを開けた。

「…ほら、これでも吸え」

ソンヒョクは禁煙していたらしく、何本か残っていたタバコのケースを達也に投げた。

「おぉ、悪い悪い。やる事ねえからタバコ吸うぐらいしかなくてさ」

達也は早速タバコに火を点け、美味そうに煙を吐き出した。

薄暗い小屋の中で紫煙がゆらめいている。

「で、オレに質問って何だ?」

ソンヒョクはもう片方の安全靴を手入れしている。
何時、いかなる時でも任務を完璧に遂行するためには道具の手入れは欠かせない。

「何で殺しなんてやったんだ?」

「何でって…オレ狙われてたんだよ」

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