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カウントダウン・バレンタイン
第1章 キスして
「…ご飯は食べに行く」
「その前に映画もだろ」
「…映画とご飯は行く」
「今日は俺のアパートに泊まって行けるって言ってたじゃん」
「…ご飯と映画と陸のアパートには行く」
「なら。いつも俺のアパートだから、たまには場所変えてさ-」
希望の光が見え、それを逃すまいと陸は優しく言葉を繋ぐ。
しかし華夜子の意思は固かった。
「…ホテルには行かない。ホテルに行く約束はしてない」
あくまでも揺るぎない華夜子の強い口調が、陸の癪《かん》に障る。
そういう行為自体が初めてで、怖さや不安から『嫌だ』と抗われるなら、十分理解出来る。
でも自分達は『そういう行為』は既に済んでる関係だ。
数度とはいえ、自分のアパートで一緒の朝を迎えている。
今夜も泊まっていく前提で話は進んでおり-実際彼女は『陸のアパートには行く』と、今も明言した。
表現の仕方は乱暴で直接的になってしまうけど、アパートだろうがホテルだろうがやる事はいわゆる変わらない。
それは彼女も承知しているはずだ。
なのに、アパートは良くてホテルはだめ-さっぱり意味が分からなかった。
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