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ファニーキンキー
第10章 それは同日


「二人は付き合ってるんだよね?二人っきりの方が恵衣子も喜ぶんじゃないかな?」

伊井に向かって説得を試みる。

「いやぁ~、まだなんだよね…デートの時に観覧車でロマンチックに告白しようかと…それに人数いた方が気軽に誘えるしさ、頼むよ~」

目の前では2メートル近い長身の男が顔を赤らめ、もじもじしている。
ロマンチックだと?かぁああっ!とっとと告白してしまえっ!今すぐに!

「じゃ、じゃあ映画なんか良いんじゃないかなぁ?恵衣子が観たいのあるって言ってたような言ってないような」

もう、必死です。

「寧奈は遊園地、嫌?」

あたしの言葉を遮り、翔太郎が鋭いところに突っ込んでくる。

「嫌っていうか…嫌じゃないっていうか…嫌っていうか」

ひとり口籠っていると、伊井の方に向き直って話を再開させていた。

「伊井、休み決まったら連絡する」

「ありがとー、翔太郎愛しとるわっ!」

愛の言葉を叫んだ伊井はウキウキと去って行った。

言えるじゃないの!無駄撃ちしてないで、今の言葉…恵衣子に言って来いっ!
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