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ファニーキンキー
第10章 それは同日
もう、こうなったらデートの当日に熱でも出すしかないか……
浮かない顔でそう考えていると、翔太郎があたしの瞳を覗き込むようにして、
「遊園地行きたくない?」
「あ…うん」
「なんで?嫌な思い出でもある?」
「うん、まぁ…」
「もしかして、昔の男とか?」
眉を下げた表情で聞いてくる。
「…プっ」
なんで、そういう思考になるかなぁ?
「違うよ。…乗り物酔いで散々な目にあってね…」
「はぁーなんだ…良かった。浮かない顔してたから、男と辛い事でもあったのかと思った。それならさ、乗り物は乗らないってことでダブルデートしてくれるか?俺、伊井に協力したいし……寧奈とデートしたいな」
そりゃあたしだって恵衣子に協力したいよ…
睨みつけながら、念を押す。
「絶対にあたしは乗らないよ?」
「ん、わかった」
あたしの頭をぽんぽんしながら耳元で、
「絶叫系、怖いんだ?クスっ」
怖いんじゃなくて、酔うんだよっ!
「…っ!先に教室戻る!」
イヤホンを翔太郎の耳に突っ込んだ。